お祭りのヒヨコ

しんでたヒヨコ

あさ冷たくなってたヒヨコ

わがまま言って買ってもらった

せなかをずっとなぜていた

 

夏祭りの夜、無理矢理、母に頼んで買ってもらった、小さなヒヨコ。

昔はお祭りにはたいていヒヨコが売られていたものだ。

翌朝ヒヨコを見るのが楽しみで、そそくさと箱を開けてみると、ヒヨコはすでに死んでいた。死ぬって事は、冷たくなる事。子どもながらに思い知ったと思う。

でも、もしかしたら、背中をさすって温めたら、生き返るかな、生き返るよね?生き返って欲しいなと、幼い私はただただ願っていたのだろう。